鉄塔

鉄塔が好き。無骨な感じもするし機能美でもある。遠くから見ても近くから見てもいい。聳え立つ鉄の塔。

鉄塔といえば2つの映画がまず思い浮かぶ。

1つ目は『鉄塔 武蔵野線』。小学生の男の子が夏休みに近所にある送電線の鉄塔に番号がふられている事に気付き、その番号が「1」の鉄塔にはまだ見ぬ原子力発電所があるに違いないと年下の友達と2人で冒険に出るというお話。

2つ目は『リリイ・シュシュのすべて』。あらすじはいいかな。岩井俊二監督の作品ですね。作中で最も印象に残るものの一つが鉄塔。田園風景と青空に鉄塔。

どちらも高校生の頃にレンタルビデオショップで借りて観た。『鉄塔 武蔵野線』での鉄塔は子供心をわくわくさせるものであり、『リリイ・シュシュのすべて』では「向こう側」への階段のようにも思える。なのでこの2作品を多感な時期に観た私は、鉄塔の印象ってかっちょいーと思うのと同時にどこか心がひんやりするようなところがずっとあるのです。

前に家のベランダから見える鉄塔を定点観測みたいにポラロイドカメラで撮っていた事がある。枚数が揃ったらそれらをきっちり並べてポスターのようにして額に入れて飾るという構想だったのだけど、途中で飽きてしまい数枚のポラロイド写真が今も残っている。これから再開は、しないかな。